目標
甲子園にいくことか、
人間教育をして、立派に社会に出ていく人間を育てるのか、
高校野球の指導者に課されるものは大きい。
両方できるのが、そりゃベストだけど、
簡単なことじゃない。
でも、選手たちをその気にさせることはできる。それが一番の近道。
元横浜高校監督の渡辺元智監督は、詩人で社会教育者だった後藤静香(ごとうせいこう)氏のコトバに感銘を受けて、部員たちに伝えてきた。
「目標がその日、その日を支配する」
1日1日でもいい。1年でもいい。目標を持って生活することと、そうでないとでは、成長のペースが違う。高ければ高いほど、それに立ち向かおうとする。乗り越えるためには何をしなくてはならないのかを考える。
甲子園なのか、プロなのか、目の前の試合に勝つことか、レギュラーを奪うのか、人それぞれ。
一方的に考えさせるだけではなく、そこから監督は生徒とコミュニケーションを取っていた。
松坂大輔投手が座右の銘として、このフレーズをあげていた時期があった。渡辺監督の教えからだった。彼が卒業してから間も無く20年経つが、少なくともそれから15年は、グラウンドのホワイトボードには、そのコトバが力強い字で記されていた。このコトバを目に焼き付け、プロになった選手も多い。
コトバの力は大きい。
幾つになっても、戦うフィールドが変わっても、目標をもっていたいと思う。